2025-04-29

【Favorite Songs】安らぎを求める小鳥とジョビン  Antonio Carlos Jobim - Passarim

 



「Passarim(パッサリン)」は、

アントニオ・カルロス・ジョビンが晩年に遺した

とても繊細で、

美しい空気をたたえたアルバムです。


タイトルの「Passarim」は、

ポルトガル語で“小鳥”のこと。

自然を愛し、人生を深く見つめたジョビンが、

自由や郷愁をこの一曲に重ねています。


静かなピアノとクラシックギター、

柔らかなコーラスが重なり合い、

まるで森の奥で小鳥のさえずりに

耳を澄ませているような、

静謐な世界が広がります。


歌詞に描かれるのは、

とどまることなく空を舞う小鳥の姿──

それは、安らぎを求めながらも飛び続ける

魂の象徴のようにも

感じられます。


家族とともに録音されたこのアルバムには、

晩年のジョビンのやさしさと誠実さ、

そして自然への深いまなざしが

丁寧に込められています。


疲れたとき、心を静かに整えたいときに

そっと寄り添ってくれる一曲ではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿